子どもの矯正治療

適切な「治療開始時期」「治療方法」
ご説明することが可能です

子どもの矯正治療はいつ始めたらよいと思われますか? 適切な治療開始時期は、子どもの状態によって異なります。

子どもの年齢や症状に適した小児矯正(第1期治療)を行うことにより、歯を抜かないで治療できる可能性が広がります。あごの骨のバランスを整えることで、仕上げの矯正治療(第2期治療)の仕上がりが良くなったり、治療が簡単になったりと多くのメリットを得ることができます。第1期治療のみで歯並びが改善し、第2期治療が必要なくなる場合も少なくありません。

「できる限り早い時期に矯正治療をすれば、簡単に、低価格で、本人の負担も少なく、仕上がりの良い治療ができる」という考え方は、正しくありません。皆さんの周りに、5~10年も矯正治療を受け続けているのに、あまり歯並びが良くならず、矯正治療に疲れてしまっているお子さんはいらっしゃいませんか? 症状によっては、永久歯(大人の歯)が生えそろってから矯正治療を始めた方が良好な結果を得られる場合や、効率的に治療できる場合があります。そのような子どもには、小児期に歯磨き指導などの予防管理を行い、適切な時期まで経過観察することが良い選択になります。
適切な治療開始時期は、子どもの年齢や症状によって違うのです。

仙台東口矯正歯科では、短い治療期間で治療効果が得られるよう、効率的な治療に努めます。

小児矯正(第1期治療)のメリット

あごの成長を利用した矯正治療が可能になる

成長期にある子ども(小学生~中学生前半)の場合、あごの成長を利用してより良い治療結果を得ることが可能になります。
たとえばあごの骨が小さい場合には、あごの成長を促す治療が可能です。上あごの成長を促して受け口を治したり、抜歯せずに歯のでこぼこを治せるようになります。

仕上げの矯正治療(第2期治療)が簡単になる

成長期(小学生~中学生前半)に矯正を行うことにより、仕上げの矯正治療(第2期治療)が不要になることも少なくありません。
また、仕上げの治療が必要になったとしても、成長期に歯並びを改善することで、大人になってから矯正治療を始める場合に比べ、仕上げの矯正治療(第2期治療)の治療期間を短縮でき、治療も簡単になります。

虫歯や歯肉炎を予防できる

永久歯は乳歯より大きいので、あごが充分に発達していない場合は歯がきれいに並びきらず、でこぼこした歯並びになります。また、子どもの永久歯には充分な硬さがないため、そのままにしておくと虫歯を発症しやすくなります。
しかし、歯並びを改善することによって丁寧に歯を磨けるようになるため、虫歯や歯肉炎の予防になります。当院では定期的な歯磨き指導とフッ素塗布などの予防管理を行うので、子どものうちに矯正治療を始めることは、虫歯や歯肉炎の予防にも効果的です。

歯を抜かずに矯正治療できる可能性が高くなる

子どもの骨は軟らく、矯正治療によって簡単にあごの大きさを変えられるため、子どもの矯正治療では歯を抜かないことが大原則になっています。その結果、仕上げの矯正治療(第2期治療)が必要になった場合でも、歯を抜かずに治療できる可能性が高くなります。
子どもの骨は柔らかいため歯の移動が速く、スムースに矯正治療が進みます。矯正治療中の痛みも少ない傾向があります。当医院では、できるだけ痛みが生じないよう弱い力を利用して歯を動かすように心がけているので、ご安心ください。

心理的な改善ができる

多感な思春期になると、歯並びや口元がコンプレックスになることが多くなります。人前で笑わないようになった、歯並びをもとにあだ名をつけられて傷ついた、などの経験をすることも少なくありません。
そのような子どもでも、矯正治療で早期にコンプレックスを改善させることにより、健全な学校生活を送れるようになります。

脳の健全な発達が期待できる

歯並びとIQ(知能指数)には関連があるという報告があります。噛むと脳の血流が良くなることが実験で証明されています。歯並びを治すことで噛み合わせが良くなって脳の血流が増加するので、脳の健全な発達が期待できるのです。

子どもの矯正治療(小児矯正・第1期治療)~第2期治療の流れ

  • Step1

    第1期治療(小学生~中学生前半)

    適切な治療のタイミングを見極め、部分的な歯の配列や、あごの成長を利用した治療を行います。治療期間は通常1年~1年6ヵ月で、通院間隔はおよそ1ヵ月に1回です(症例によっては第1期治療をあえて行わず、第2期治療のみで対応する場合もあります。)

  • Step2

    保定・成長観察

    第1期治療により、歯の土台であるあごの形や大きさが整った状態になっています。歯列や噛み合わせなどが改善されない場合もありますが、永久歯列が完成して2期治療をできる段階になるまで、歯の生え変わりとあごの骨の成長を見守りながら、虫歯予防などの口腔衛生管理を行います。

  • Step3

    再分析・再評価

    成長が収束する時期に精密分析と再評価を行い、2期治療の必要性を判定します。あごの形や大きさ、前後関係が良くなっていても、歯の前突感がある、歯列がでこぼこしている、歯が回転して生えている、噛み合わせが悪い、などの症状が見られる場合、2期治療を行います。

  • Step4

    第2期治療

    全ての歯が良好な噛み合わせになるように、仕上げの矯正治療を行います。1期治療であごを拡大してから2期治療へ移行するため、一般的な大人の矯正と比べて治療期間を短縮できます。また抜歯の可能性が低くなります。1期治療で歯並びや噛み合わせが改善された場合、2期治療は必要ありません。

  • Step5

    保定期間・定期チェック

    せっかく歯列が改善しても、そのままにしていると「後戻り」といって歯は元の位置に戻ろうと動いてしまいます。そのため、歯列が安定した状態に落ち着くまで、リテーナー(保定装置)を装着して、定期的なチェックを行います。

歯並びがキレイになった後は?

矯正治療でキレイになった歯並びは、そのまま放っておくと、大きく後戻りしてしまいます。
後戻りをできるだけ抑える装置を「保定装置」と呼びます。当院では、全ての患者さんに、治療後すぐに、保定装置の使用をお願いしています。また、保定装置の使用時間や使用期間は患者さんの状態によって異なりますが、少なくとも半年は食事や歯磨きの時以外の使用をお願いしています。
一定期間をすぎて、歯並びの安定を確認した後で、徐々に保定装置の使用時間を少なくしていただき、最終的には、保定装置から卒業します。

●矯正歯科治療にともなう一般的なリスク・副作用

・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1〜2週間で慣れることが多いです。
・治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に1年半〜3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1〜2年、永久歯がすべて生えそろったあとに行なう第2期治療で1〜2年半を要することがあります。
・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
・治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
・治療中に、「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
・矯正装置を誤飲する可能性があります。
・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
・装置を外したあと、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
・装置を外したあと、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
・あごの成長発育により、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
・治療後に親知らずの影響で、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
・加齢や歯周病などにより歯を支える骨が痩せると、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。
・矯正治療により上下の前歯を前方や後方へ傾斜することにより、上下口唇の突出感が生じたり、増幅したりする一方、陥凹感が生じたり、増幅するなど変化することがありますが、矯正歯科医師による側貌のコントロールはできません。
・治療期間は歯並びと咬み合わせに異なりますが、前歯だけ永久歯に生え揃う小学校低学年(1〜4年生頃)の混合歯列で第一期矯正治療(限局矯正)を行う必要がある場合、動的治療期間は約半年~1年半程度ですが、その後、全ての歯が永久歯に生え揃う永久歯列で第二期矯正治療として広範囲矯正治療(本格矯正)が必要になった場合、成人矯正同様、動的治療期間は約1年半〜2年半程度ですが、2年半以上要することもあり、通院期間は総じて10年以上に及ぶことになります。

●矯正歯科治療について

1.公的健康保険適用外の自費(自由)診療になります。
2.矯正治療の通院期間は歯並びを整える動的治療期間とその後、整えた歯並びが後戻りしない様に保定装置(リテーナー)を装着して頂きながら経過観察を行う保定期間の合計となります。
3.矯正治療の治療期間や通院回数は矯正治療の開始時期、不正咬合の程度、非抜歯・抜歯、使用装置などにより変わりますが、おおよその目安は以下の通りです。

▼混合歯列での第一期矯正治療(限局矯正)、永久歯列での部分矯正(MTM)を行った場合
・動的治療期間:約6か月~1年6か月、通院回数(毎月1回):約 6~18回
・保定期間:約1年、通院回数(数か月に1回):約4回(※1)
・合計通院回数:約1年6か月~2年6か月、合計通院回数:約10~22回
▼永久歯列での第二期矯正治療(本格矯正)を唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)にて行った場合(※2)
・歯を抜かない非抜歯治療での動的治療期間:約1年6か月~2年、通院回数(毎月1回):約18~24回
・歯を抜いた抜歯治療での動的治療期間:約2年~2年6か月、通院回数(毎月1回):約 24~30回
・保定期間(※3):3年、通院回数(数か月に1回):約12回
・合計通院回数:約4年6か月~5年6か月、合計通院回数:約30~42回
※1 混合歯列で第一期矯正治療(限局矯正)を行った場合、約1年間の保定期間終了後も永久歯列完成まで経過観察を継続しますので、通院回数は4回以上になります。
※2 舌側(裏側)ブラケット矯正装置(ハーフリンガルブラケット矯正装置、フルリンガルブラケット矯正装置)の場合、唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)よりも動的治療期間が長くなる場合があります。
※3 当院が規定する保定期間と通院回数で記載しております。

●舌側(裏側)ブラケット矯正装置(ハーフリンガルブラケット矯正装置、フルリンガルブラケット矯正装置)による治療に伴う一般的なリスク・副作用

・傾斜や捩れの改善が難しいなど唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)に比べて、高度な技術が要求されるなどの理由で治療費が高額になります。
・唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)に比べて、硬くて太いワイヤーへの交換に時間がかかることから治療期間が長くなることがあります。
・歯はブラケットが接着している方向へ移動しやすいという特性から、歯の唇側(表側)への移動はしにくいという特性があります。
・直接、舌が触れる歯の舌側(裏側)にブラケット矯正装置がついているため、唇側(表側)ブラケット矯正装置(ラビアルブラケット矯正装置)に比べて、発音や咀嚼、嚥下などの舌の働きへの影響は特に大きいと考えますが、一般的に数日から1、2週間で軽減します。
・傾斜や捩れがある上の前歯にエラスティックチェーンを装着する目的で、また上下の前歯の咬み合わせを緊密にしたり、上下の咬み合わせの前後的なズレを修正するためのエラスティック リング(顎間ゴム)が装着できるように、付加装置として透明なアタッチメントを歯の唇側(表側)に接着することがあります。

●マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
・ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
・症状によっては、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)で治療できないことがあります。
・お口の中の状態によっては、治療計画どおりの結果が得られないことがあります。
・装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
・治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
・食いしばりの癖が強い方の場合、奥歯が噛まなくなることがあります。
・治療途中で、ワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
・お口の状態によっては、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)に加え、補助矯正装置が必要になることがあります。 ・治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。

●薬機法において承認されていない医療機器「マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)」について

当院でご提供している「マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)」は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。

○未承認医療機器に該当

薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2023年7月21日最終確認)。

○入手経路等

インビザライン・ジャパン株式会社より入手しています。

○国内の承認医療機器等の有無

国内では、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)と同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2023年7月21日最終確認)。

○諸外国における安全性等にかかわる情報

情報が不足しているため、ここではマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)の諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。

○医薬品副作用被害救済制度対象外

日本では完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。

●3D口腔内スキャナー(iTero)を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

・薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医療機器です。光学的に口腔内の印象を採得し、ディスプレイに表示して診療や患者さまへのご説明に使用したり、採得した3Dデータに基づき、マウスピース型矯正装置(インビザライン)や補綴物などの設計・製造に使用します。
・3D口腔内スキャナー(iTero)を使用して行なうマウスピース型装置(インビザライン)を用いた治療は、機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・印象剤を使用した従来の印象採得に比べ、印象採得時の不快感は大幅に軽減されますが、お口の中にスキャナーが入るため、ごくまれに多少の不快感を覚えることがあります。

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