酸蝕症について

仙台東口矯正歯科・歯科衛生士の鈴木です。

 

毎日本当に暑い日が続いていますね。熱中症対策で水分補給をする機会が増える時期と思います。

みなさんは水分補給の際、何を飲まれますか?身体のことを考えた水分補給でも、歯にとっては良くない場合があります。今日は、「酸蝕症(さんしょくしょう)」についてお話します。

 

むし歯になると歯が溶けるというのはみなさん聞いたことがあるかと思いますが、それ以外でも歯が溶けることがあるのはご存じでしょうか?

酸蝕症といって、この写真のようにむし歯ではなく酸によって歯が溶かされることがあります。

 

 

 

以前のブログでお口の中が酸性になる状態をグラフでご説明させていただきましたが、酸性の時間が長いほど、酸の影響を歯が受けやすくなり、その状態が長く続くと酸蝕症の原因となります。この写真はかなり重度のものなのですぐにここまでにはなりませんが、酸蝕症は日々の習慣の中でなっていくものなので、こころがけ次第で予防が可能です。

酸性の食べ物と飲み物がありますが、ここではお口全体にいきわたりやすく、手軽に口にしやすいものとして酸性の飲み物をメインにお話します。

 

【酸性の飲み物】

・炭酸飲料

・スポーツ飲料

・果汁飲料

 

【酸蝕症を予防するには】

  • ・酸性度の高い飲み物を飲む回数を減らす
  • ・口の中にためないで飲む
  • ・飲んだらお水で口をゆすぐ
  • ・就寝時は唾液の分泌量が少なくなるので、寝る前に飲まないようにする

口にしたらすぐに歯磨きをするというのは、酸性になって歯が弱くなっているところに刺激となり、これを継続していると歯に傷がついたり歯が削れる原因となるので、やめた方が良いです。飲食後すぐの歯磨きよりも、キシリトールガムを嚙むことをおすすめします。噛むことで刺激されて唾液が分泌されます。唾液の元々持っている力でお口の中の状態を中性に戻す役割があるので、お口の中が中性の状態に早く戻りやすくなります。

歯磨きをする場合は、酸性度の高い物を口にした後すぐお水でうがいをして、30分程経ってから(お口の中が中性に近くなってから)歯磨きをするのが望ましいです。

 

これらのことから、基本的に水分補給はお水かお茶をおすすめします。汗をかいた場合は塩分(ナトリウム)の補給も必要になるのでスポーツドリンクを飲んだ方が良いですが、糖分も含まれているのでむし歯の心配もあります。お水かお茶も一緒に持って行って交互に飲むのが良いでしょう。

 

また、盲点になりがちなのが、「お酢」です。美容や健康のためにリンゴ酢やはちみつレモンなどを飲む習慣がある方も少なくないと思います。これらも酸性のものなので、酸蝕症の原因となります。これについても対策は上記の通りですが、飲む時はストローを使って、歯に触れないようにして飲むのも良いかと思います。

 

上手に付き合って、身体も歯も健康に保ちましょう!