歯科矯正用アンカースクリューについて

仙台東口矯正歯科の歯科衛生士・鈴木です。

今回は、歯科矯正用アンカースクリューについてお話していきます。

歯科矯正用アンカースクリューとは、以下の写真の赤い丸の中のものです。見た目はネジと同じですが歯科用のものです。歯ぐきの中の骨に埋入しています。痛そうに見えますが、全然痛くありません!現在の矯正治療ではほとんどの患者さんに使われているポピュラーな治療なので、安心して治療を受けていただくために、詳しく説明していきます。

 

 

 

 

【なんのために埋入するか】

歯を効率よく動かすための固定源として使用します。歯と歯同士は引っ張り合うので、歯に固定源を求めてしまうと動かしたくない歯も動いてしまいます。その無駄な動きを防ぐためにも、歯科矯正用アンカースクリューを埋入します。

 

【どうやって埋入するか】

埋入する際はもちろん麻酔をします。麻酔の量は、抜歯の時よりもかなり少ない量で済みます。当院では注射の麻酔の前に、注射の痛みが少しでも和らぐよう表面麻酔といって”塗る麻酔”を行っています。これにより、注射のチクっとした感じが軽減されます。しっかりと麻酔が効いた状態を確認して埋入していきます。

施術時間は10~15分程で終わります。麻酔が切れても痛みはほとんどありません。痛くなった時のために痛み止めをお渡ししておりますのでそれを飲んでいただければ和らぐ程度のものです。

 

【清掃方法】

下の写真の、毛先がふわふわしている歯ブラシでネジ回りを磨いていただきます。この時、殺菌効果を高めるためにコンクールの液を付けていただきます。(コンクールが無い場合はお水で歯ブラシを濡らしてから。歯磨き粉は付けません)コンクールは液体なので、コップの上で歯ブラシに液を垂らしていただき、コップに落ちた分はお水で薄めてうがい薬としてお使いいただけます。

歯科矯正用アンカースクリューの回りを”ゴシゴシ磨く”というよりは”撫でる”ように優しく歯ブラシを当てていただきます。歯科矯正用アンカースクリューと歯ぐきの間のところに汚れが溜まりやすく、またその状態を放置していると脱落の原因にもなります。最低朝・晩の2回は歯ブラシを当てるようにしてください。

 

 

 

 

【脱落・動揺した場合】

まれに歯科矯正用アンカースクリューが取れてしまったり、グラグラしてくることがあります。その場合はすぐにご連絡ください。当院では、再埋入する際は無料で行っています。

 

【除去するタイミング】

基本的には治療が終了するタイミングです。治療の途中の使わなくなったタイミングで除去してしまうと、後からやっぱり必要になった時にまた患者さんが痛い思いをしなくてはならないので、治療が終了するまでは使用していなくてもそのままにしています。

除去した後は小さな傷になりますが、数日で治ります。傷口を指や舌でいじらないようにだけして、あとは普通にお食事も可能です。

 

 

埋入する場所や時期は、人によって異なります。最初の診断時にお話しますが、歯の動きによっては追加で必要になる場合があります。その際はよくご説明をし、ご納得いただいた上で埋入しています。

麻酔をする処置で、歯科矯正用アンカースクリューは身体にとっては異物なので心配な方も多いと思いますが、お口の中を清潔に保つようにしていれば特に恐いものではありません。むしろ治療期間の短縮を助けてくれるものなので、上手に付き合って矯正治療を頑張りましょう!