仙台東口矯正歯科・歯科衛生士の鈴木です。
今回はインビザライン治療をする上で起こり得るトラブルとその急患対応をご紹介します。
【マウスピース型矯正装置(インビザライン)とは】
マウスピース型矯正装置(インビザライン)はオーダーメイドの装置となります。
オーダーメイド(特別注文)された矯正装置は、1人1人の歯の形に合わせて装置を発注、制作します。従来の矯正装置は、レディメイド品になります。つまり、大量生産された既製品であるブラケットと呼ばれる装置を使用しています。
オーダーメイドによって作られた医療機器は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)では、医療機器に該当しません。つまり、マウスピース型矯正装置(インビザライン)に代表されるマウスピース型矯正装置における治療の治療結果や治療中のトラブルは、担当する歯科医師に委ねられます。
マウスピース型矯正装置を受ける際、どの歯科医院でも受けても、治療が担保されていることになりません。最新の矯正治療であるメリットがある一方で、トラブルがあった場合も考慮して、治療をするかしないかを判断しないとなりません。矯正治療に対する専門的な知見、経験を有する歯科医師に相談することが重要になります。
1.“医療機器”としては未だ未承認ですが、材質の認可は下りています。
2.米国ではアメリカ食品医薬局が“医療機器”としても認可が下りています。
【アライナーの破損・紛失】
着脱の際にアライナーが割れてしまった。外してそのまま置いていた時に踏んでしまった。外食時ケースを忘れてしまい紙ナプキンにくるんでそのまま忘れてきてしまった…など、破損や紛失の原因は様々です。ちなみにわたしは外食時にケースを忘れて紙ナプキンにくるんだまま忘れてしまい、慌てて取りに行ったことがあります!笑 忘れないだろう・一時的にならケースに入れずに置いておいても大丈夫だろうと思っていてもうっかり…ということはどうしてもあります。
まず、対策の一つとしては、外したら必ず専用のケースに入れましょう。外してケースに入れたらすぐにカバンに入れる癖をつけると良いです。
次に、着脱の際の破損は、着脱の仕方を守っていただくことで防ぐことができます。
・入れる時…左右の指で均等に力を入れて装着する
・外す時 …片方ずつ左右の奥歯の内側から指を入れてアライナーを浮かせ、指で少しずつ前歯の方に向かって取り外す。
歯並びのデコボコがきつい所がある場合だとどうしてもその部分の所で壊れやすいので、ある程度デコボコが治るまでは仕方ないですが、デコボコが取れたら上記の着脱の仕方を守っていただければほとんど問題はありません。
壊れてしまったものに関しては、無料で新しいものをお渡しいたします。ただ、発注する必要がありますので壊れてしまったらすぐご連絡ください。それまでは保管していただいているひとつ前のものをお使いいただきます。
【アタッチメントが外れてしまった】
すぐに付けなければならない緊急性はないですが、外れた場合はご連絡ください。いらっしゃれるタイミングでご来院いただき、付け直しをいたします。外れてしまったアタッチメントは捨ててしまって大丈夫です。新しいものをお付けします。
【むし歯ができた】
毎回の来院時にこちらでチェック・クリーニングを行っていますが、やむを得ずむし歯ができてしまうことがあります。もしくは、最初から歯と歯が重なっている所にむし歯ができていて、歯が並んでくることでむし歯が見えてくることもあります。気になる所がある場合はいつでもおっしゃってください。むし歯の大きさによっては、治療することでアライナーが合わなくなってくる場合もあります。合わなくなった場合は再スキャンをしてアライナーを新しく作り直します。
【アライナーが合わなくなった】
基本的に問題なく使えていれば合わなくなることはありませんが、装着時間(22時間)を守れていない・交換のタイミングがずれるもしくはそのアライナー自体が最初から変形していると合わなくなることがあります。合っていないものを使用し続けると予期せぬ動きをしてしまうこともあるので、合っていないと感じたらすぐにご連絡ください。
インビザラインは患者さんご自身で管理していただくものになりますので、使用方法や注意事項をよく理解していただき、スムーズに治療が進められるようこちらもサポートしてまいります。ご自分で判断がつかない場合はいつでもご連絡ください。