ワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン)を組み合わせた治療

仙台東口矯正歯科、歯科衛生士の鈴木です。

今回は、許可をいただいた患者さんの治療の内容を紹介させていただきます。こちらの患者さんは目立ちにくい装置での治療をご希望されましたが、抜歯が必要だったためワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン)での治療となりました。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)でも抜歯の必要な症例の治療は可能ですが、抜歯した隙間を閉じるのはワイヤー矯正の方が早いので、当院ではワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン)の治療を組み合わせることがあります。

 

【マウスピース型矯正装置(インビザライン)とは】

マウスピース型矯正装置(インビザライン)はオーダーメイドの装置となります。
オーダーメイド(特別注文)された矯正装置は、1人1人の歯の形に合わせて装置を発注、制作します。従来の矯正装置は、レディメイド品になります。つまり、大量生産された既製品であるブラケットと呼ばれる装置を使用しています。
オーダーメイドによって作られた医療機器は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)では、医療機器に該当しません。つまり、マウスピース型矯正装置(インビザライン)に代表されるマウスピース型矯正装置における治療の治療結果や治療中のトラブルは、担当する歯科医師に委ねられます。
マウスピース型矯正装置を受ける際、どの歯科医院でも受けても、治療が担保されていることになりません。最新の矯正治療であるメリットがある一方で、トラブルがあった場合も考慮して、治療をするかしないかを判断しないとなりません。矯正治療に対する専門的な知見、経験を有する歯科医師に相談することが重要になります。

1.“医療機器”としては未だ未承認ですが、材質の認可は下りています。
2.米国ではアメリカ食品医薬局が“医療機器”としても認可が下りています。

 

初診時のお口の中の写真です。(2019年4月11日 26歳11か月・女性)

主訴(患者さんが気になっているところ)は「全体的な歯のデコボコと八重歯が気になる」でした。

【治療方針】

デコボコがきついので赤丸の上下左右4番目の歯を抜歯することになりました。黄色で丸をつけたところの歯は、矯正治療終了後にかぶせ物をやり直すので一旦仮歯に置き換えます。まずは一年くらいかけてワイヤー矯正で抜歯した隙間を閉じてから、最後の仕上げをマウスピース型矯正装置(インビザライン)に切り替えて治療する方針でご同意いただきました。

リスク・副作用は歯根吸収やむし歯の危険性ですが、年1回のレントゲン撮影や歯科衛生士によるクリーニングでコントロールしていきます。

 

 

 

 

 

 

治療開始時(2019年11月6日)

 

 

 

 

隙間が閉じたので、マウスピース型矯正装置(インビザライン)に切り替えます。(2020年11月6日)これは、そのために一旦装置を外したところの写真です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)で治療をしていくにあたって、治療の途中で下の図の赤で書かれているところの下の前歯の歯と歯の間をIPR(削る)必要があります。これは前回のブログでもご説明させていただきましたが、歯と歯の間をヤスリのようなもので磨いて隙間を作る処置です。

 

 

 

 

 

 

いよいよマウスピース型矯正装置(インビザライン)での治療開始です。(2021年3月10日)

14枚のアライナーが届きました。1週間ごとに交換していきます。

 

 

 

 

 

 

14枚使い終わった時の写真です。(2021年6月26日)

ほとんどきれいに並んでいますが、上下の噛み合わせをもっと緊密なものにするために、もう一度スキャンを行いました。

 

 

 

 

 

次のアライナーは6枚でした。(2021年8月24日)

それを使い切り2021年10月14日治療終了です。治療期間は1年11か月でした。(治療回数22回・治療費総額1,303,620円)

 

 

 

 

 

矯正治療が終わったので、黄色で丸をつけたところに最終的なかぶせ物を入れました。

 

 

 

 

 

 

 

このように、各装置の得意なことを組み合わせることで、治療期間の短縮や、治療中の見た目を気にするストレスを軽減させることができます。

【実際の患者さんの声】

目に見えて歯並びが良くなっていくのがわかって感動しました。“周りから変わったね“と言われることがあり嬉しかったです。痛みもあり辛く感じる時もありましたが、良くなると思えば頑張れました。

 

今回このブログを書くにあたって快く承諾してくださりありがとうございました。

 

 

できるだけ患者さんのご希望に沿った治療ができるよう先生と相談をして治療方針を決めていくことができますので、気になることがあればおっしゃっていただければと思います。